工藤元(kudogen)公式 映画・ドラマ評論家

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上場企業の総務が解説する【株式取扱規程】の作り方・サンプル雛形フォーマット

投稿日:2020年4月23日 更新日:

この記事では、上場企業の総務担当者が長年の経験・ノウハウをもとに【株式取扱規程】の作り方を解説し、モデル規程のサンプル雛形フォーマットも紹介しています。

事業が拡大し従業員が増える、許認可事業を申請する、株式上場を目指すなど様々な理由から、社内ルールとして「規程」を整備する事があります。初めて「規程」を作る場合には、どんな内容を盛り込んだら良いのか、どんな形式で作成したら良いのか分からないと思います。

そこでこの記事では、上場企業の総務部門で長年規程やマニュアルを制定・改定してきた経験やノウハウを公開し、社内規程のひとつである【株式取扱規程】をゼロから作成する方法を解説します。

なお、会社の規模・状況別に必要な規程集も別記事で紹介しています。あわせてご覧ください。

3訂版 社内諸規程作成・見直しマニュアル

【株式取扱規程】の目的と必要性

【株式取扱規程】とその目的

株式取扱規程とは、文字通り「会社の株式の取り扱い」に関する規程です。

規程の目的としては、株主名簿、名義書換、株主権の行使についての内容など、株式や株券に関するルールを規定することになります。

【株式取扱規程】の必要性

【株式取扱規程】の制定については、創業者(複数も含む)が株式を100%保有し会社を経営している状況であれば、何か株式や株券について意思決定する必要になったとしても、創業者あるいは経営者同士の話し合いで解決できると思われるため、あまり整備する必要はありません。

逆に言えば、第三者割当増資などを行い社外株主が発生する状況、あるいは、経営者あるいは株主同士の話し合いで解決できない事が生じそうな状況であれば、小規模の事業者でも整備したほうがいいでしょう。

一方【株式取扱規程】の改定のタイミングについては、必要に応じてという事になりますが、一般的には法令に基づく株式や株券の取扱いのルールが変更になった時に改定する必要があります。なお、【株式取扱規程】に関する関連法令は以下のとおりです。

【株式取扱規程】の作り方・注意点やポイント

【株式取扱規程】と【定款】

株式や株券の取扱方法については、当記事で解説する【株式取扱規程】ではなく、【定款】に記載することもできます。ただし内容は多岐かつ詳細にわたるため、一般的には、株式や株券の取扱方法だけを規定した規程を作成します。

また、仮に株式や株券の取扱方法を【定款】に記載してしまうと、前述の株式や株券に関する法律が改正あるいは変更になるたび、株主総会決議での承認事項である「【定款】の変更」が必要になるため、手間を省くという意味でも【株式取扱規程】を整備するのが通常です。

【株式取扱規程】に記載する項目

【株式取扱規程】に記載する項目としては、以下のようなものがあります。

  1. 目的
    定款において株式について定めた内容を、本規程で詳細に規定します。
  2. 株主名簿管理人
    株主名簿の管理事務を担当する当事者で、本記事のサンプルでは信託銀行となっています。上場企業やIPOを目指す企業でなければ、取次部門名(管理部など)になります。
  3. 株券の種類や発行
    発行している株券の種類について記載します。
  4. 手続き(届出や請求)
    届出や請求の方法、請求先(株主名簿管理人を定めていればその当事者、そうでなければ部門名)を記載します。
  5. 名義書換
    株主名簿における名義書換については、取得原因の証明を義務付けたほうが良いでしょう。
  6. 質権の登録・抹消
  7. 信託財産の表示・抹消
  8. その他届出
    住所・氏名・印影の届出や、変更があった場合の手続きについて定めます。
  9. 単位未満株式

【株式取扱規程】モデル規程のサンプル・雛形・フォーマット

これまで解説した目的および必要性・注意事項・ポイントをもとにした、【株式取扱規程】のモデル規程のサンプル・雛形・フォーマットを紹介します。

株式取扱規程

第1章 総則

(目的)

第1条 当会社の株式に関する取扱いについては定款の規定に基づき、この規程の定めるところによる。

(株券の種類)

第2条 当会社が発行する株券の種類は、1株券、5株券、10株券、50株券および100株券とする。

2 前項のほか必要があると認めるときは、取締役会の決議により、前項以外の株数を表示した株券を発行することができる。

3 株主は、前各項の株券のうち単元未満株式の数を表示した株券については、第20条(喪失による再発行)および第21条(汚損または毀損による再発行)の規定による場合を除き、発行を請求することができない。

(株主名簿管理人、事務取扱場所および取次所)

第3条 当会社の株主名簿管理人、事務取扱場所および取次所は、次のとおりとする。

(1) 株主名簿管理人

東京都○○区○○丁目○○番○○号

○○信託銀行株式会社

(2) 事務取扱場所

東京都○○区○○丁目○○番○○号

○○信託銀行株式会社 ○○部

(3) 取次所

○○信託銀行株式会社 全国各支店

(請求、届出、申出等の手続き)

第4条 当会社の株式に関する事項についての請求、届出、申出等の手続きは、株主名簿管理人に対して行わなければならない。

(請求、届出または申出方式)

第5条 前条による請求、届出または申出は、当会社の所定の書式により、これに第16条の規定による届出印を押印しなければならない。

第2章 株主名簿および名義書換等

(株主名簿)

第6条 当会社の株主名簿には、次の事項を記載または記録し、管理部で保管する。

(1) 株主の氏名または名称および住所

(2) 各株主が所有する株式の種類および数

(3) 各株式の取得年月日

(4) 各株主が所有する株券番号

(5) その他必要事項

2 株主および当会社の債権者は、当会社の営業時間内であればいつでも株主名簿の閲覧または謄写を請求することができる。ただし、その請求が不当なものと認められる場合においては、当会社はその請求に応じないものとする。

3 当会社が株主名簿を電磁的記録で作成した場合、前項の請求に対して当会社は、書面によるプリントアウト、インターネットを利用して情報を交付する方法など、適切な手段を用いるものとする。

(名義書換)

第7条 株主名簿への記載または記録(以下「名義書換」という)を請求するときは、請求書に株券を添えて株主名簿管理人に提出しなければならない。

2 譲渡以外の理由により取得した株式の名義書換を請求するときは、取得原因を証明する書類を提出しなければならない。

3 名義書換のため提出された単元未満株券の組み合わせにより単元株式とすることができる場合には、原則として単元株券に併合するものとする。

(法令による別段の定めがある場合の名義書換)

第8条 法令により別段の手続きを必要とする株式の移転について名義書換を請求するときは、請求書に株券およびその完了を証明する書類を添えて提出しなければならない。

第3章 質権および信託

(質権の登録または抹消)

第9条 株式につき、質権の登録、変更またはその抹消を請求するときは、請求書に、質権設定者および質権者が連名で署名し、株券を添えて提出しなければならない。ただし、1単元未満の株式について新たに質権の登録を請求することはできない。

(信託財産の表示または抹消)

第10条 株式につき、信託財産の表示またはその抹消を請求するときは、委託者または受託者が、請求書に株券を添えて提出しなければならない。また、抹消の請求については、受益者も行うことができる。ただし、1単元未満の株式について新たに信託財産の表示を請求することはできない。

第4章 諸届

(住所、氏名および印影の届出)

第11条 株主および登録株式質権者は、その住所、氏名およびその印影を届け出なければならない。

2 前項の届出事項に変更があったときは、その旨を届け出なければならない。

(外国居住株主等の通知を受けるべき場所の届出)

第12条 株主および登録株式質権者であって、日本国内に住所または居所を有しない者は、日本国内に住所もしくは居所を有する代理人を定め、通知を受けるべき場所を定めて届け出なければならない。その変更があったときも同様である。

(法人の代表者)

第13条 株主が法人であるときは、その代表者1名の資格および氏名を登記事項証明書を添えて届け出なければならない。代表者を変更したときも同様とする。

(株主名簿および株券の表示の変更)

第14条 次に掲げる事由により株主名簿および株券の表示の変更をしようとするときは、届出書に株券およびその事実を証明する書面を添えて提出しなければならない。

(1) 改姓、改名

(2) 親権者、後見人等の法定代理人の就任、変更または解除

(3) 商号または法人名称の変更

(4) 法人組織の変更

第5章 株券喪失登録等

(株券喪失登録請求)

第15条 株券喪失登録を請求する場合には、請求書に証明する書面を添付し提出するものとする。

2 名義人以外の者から前項の株券喪失登録請求がなされた場合には、当会社は、遅滞なく、当該株券の名義人に対して、喪失の登録がなされたことを通知するものとする。

3 名義人が株券喪失登録をした株券が、当該株券にかかる株式についての権利行使のために当会社に提出された場合には、当会社は、遅滞なく、当該株券の提出者に対して、喪失の登録がなされていることを通知するものとする。

(株券所持者による抹消申請)

第16条 前条の登録がなされた株券を所持する者が当該株券喪失登録の抹消を申請する場合には、申請書に当該株券および本人確認書類を添えて提出するものとする。ただし、登録抹消申請者が株主または登録株式質権者の場合については、本人確認書類の提出を要しない。

2 前項の登録抹消申請がなされた場合において、当会社は、遅滞なく、株券喪失登録者に対して通知をするものとする。

3 前項の通知がなされた日から2週間を経過した日に、当会社は、株券喪失登録を抹消し、当該株券を登録抹消申請者に対して返還するものとする。

(株券喪失登録者による登録抹消申請)

第17条 株券喪失登録をした者が当該登録の抹消を申請する場合には、申請書を提出するものとする。

2 当会社は、前項の申請書が提出された日に当該抹消申請にかかる株券喪失登録を抹消するものとする。

(株券の失効)

第18条 株券喪失登録がされた株券の失効は、第15条の株券喪失登録がなされた日の翌日から起算して1年が経過した日とする。ただし、その日までに当該株券喪失登録が抹消された場合においてはこの限りではない。

第6章 株券の再発行

(分割または併合による新株発行)

第19条 株券の分割または併合により新株券の発行を請求するときは、請求書に株券を添えて提出しなければならない。

2 株券の分割または併合により生ずる単元未満株券の発行を請求することはできない。

(喪失による再発行)

第20条 株券の喪失により新株券の発行を請求するときは、第15条に定める株券喪失登録をなした上で、当該株券が無効となった日以降に、請求書を提出しなければならない。

(汚損または毀損による再発行)

第21条 株券の汚損または毀損により新株券の発行を請求するときは、請求書に株券を添えて提出しなければならない。ただし、汚損または毀損の程度がはなはだしく、その株券の真偽を判別しがたいときは前条によるものとする。

(単元未満株券の自動併合)

第22条 名義書換のために提出されて単元未満株券の組合せにより単元株式とすることができるときは、原則として、単元株券に併合するものとする。

第7章 その他

(変更)

第23条 この規程の変更は、取締役会の決議によるものとする。

付則

この規程は、令和○○年○月○日から実施する。

 

なお、会社の規模・状況別に必要な規程集も別記事で紹介しています。あわせてご覧ください。

3訂版 社内諸規程作成・見直しマニュアル

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