※2021年10月7日更新
Amazonオリジナル『ザ・ループ』の全シーズンエピソードのあらすじをネタバレで、登場人物や人間関係、伏線やストーリー、結末ラスト、感想評価を詳しく解説しています。製作・監督・脚本・俳優キャスト、原作者と原作との違いについても紹介。
ザ・ループ TALES FROM THE LOOP シーズン1 (字幕版)
目次
工藤元(kudogen)のドラマあらすじネタバレ解説:『ザ・ループ』の全シーズン・全エピソードのあらすじネタバレ
『ザ・ループ』シーズン1のあらすじネタバレ
シーズン1全体のあらすじネタバレ(概要)
エピソード1「ループ」
アメリカの田舎町の地下に「ループ」と呼ばれる施設があり、宇宙の謎について研究しています。町にはロボットが至るところに歩き回り、町の住民はみなループと関係があります。
ロレッタはループで働く母アルマと2人で暮らしていました。アルマはループにあるエクリプスの実験事故により失踪し、ロレッタはタイムスリップして結婚して子供を持つ自分と対面します。
エピソード2「入れ替わり」
ロレッタの長男ジェイコブは、親友ダニーと見つけた森の中のポッドの影響により、心を入れ替えます。初めは入れ替わりを楽しみましたが、元に戻りたいジェイコブと戻りたくないダニーの間で諍いになり、1人でポッドに入ったジェイコブは意識を消失します。ジェイコブの意識はロボットの中にあるようです。
エピソード3「静止」
メイは湖で謎の機器を見つけます。ループにあったエネルギーを元に修理すると、なんと時間を止める力がある機械でした。知り合ったイーサンと2人で時間を止めてセックスを楽しみますが、母の不倫を知ったことからイーサンが約束を破り、2人は喧嘩別れしてしまいます。
エピソード4「エコースフィア」
コールとラスは仲の良い祖父と孫でした。荒野にエコースフィアという謎の物体が朽ちていて、こだまの数で残りの人生の長さが分かります。コールは何度もこだましますが、ロスは1回も返りません。そのとおり、まもなくラスは病で亡くなります。コールははじめて身近な死に接します。
エピソード5「コントロール」
ダニーは意識が戻りません。泥棒や不審者により、ダニーの父エドは強い力で家族を守るため、ロボットで家を監視します。しかし車庫に忍び込んだ娘ベスを傷つけそうになり、家族は離れてしまいます。エドは自分をコントロールし、ロボットを売りできることをすることで、家族を取り戻します。
エピソード6「異次元世界」
ガディスはゲイで孤独を感じています。トラクターにあった写真の男性に恋をし、恋心をノートに記しています。パラレルワールドに迷い込み、向こうの世界では自分と写真の男性が付き合っています。恋は実らず失意に襲われますが、元の世界でも出会っていたケントとパラレルワールドで初めて会い、趣味が合うことを知り新しい恋が始まりそうです。
エピソード7「怪物」
ジョージは少年時代に無人島に行き、危険なロボットに遭遇します。途中で蛇に噛まれ敗血症で義手になります。無人島にはラスが作った第1号の人間型ロボットがいて、異質であったため町の人々から守るため隔離していたのでした。ジョージは大人になりその事実を知り、怪物扱いして傷つけた事をロボットに謝ります。
エピソード8「ホーム」
ジェイコブの意識はロボットにありました。コールと元に戻ろうとしますが、途中でエネルギーが切れてしまいます。森はループの力で時間の流れが変わり、コールが戻るともう何十年も経っていました。老人となった母や大人になったジェイコブと会い、自分も受け入れて家族を持つのでした。
ザ・ループ TALES FROM THE LOOP シーズン1 (字幕版)
シーズン1各エピソードのあらすじネタバレ(詳細)
『ザ・ループ』シーズン1の各エピソードについての詳しいあらすじは、他の記事でネタバレ解説しています。
- シーズン1エピソード1「ループ」
- シーズン1エピソード2「入れ替わり」
- シーズン1エピソード3「静止」
- シーズン1エピソード4「エコースフィア」
- シーズン1エピソード5「コントロール」
- シーズン1エピソード6「異次元世界」
- シーズン1エピソード7「怪物」
- シーズン1エピソード8「ホーム」
工藤元(kudogen)のドラマあらすじネタバレ解説:『ザ・ループ』の概要
『ザ・ループ』の原作
Amazonオリジナル『ザ・ループ TALES FROM THE LOOP』は、シモン・ストーレンハーグ(Simon Stalenhag)のイラスト集を原作として製作されました。ドラマについてもこの原作の世界観、ストーリーを極力変えずに作られています。
※原作では1969年のスウェーデン(ストックホルム)の郊外を舞台としていますが、ドラマではアメリカ(オハイオ州マーサー)を舞台としています。
シモン・ストーレンハーグはスウェーデン人で、イラストと呼ぶのが憚られるような超写実的な、写真と見間違うようなイラストを描くアーティストです。FacebookやTwitterで作品を公開、2014年に同名の本を出版しました。
なお、蛇足ですが『TALES FROM THE LOOP』は、その後テーブルゲームのRPGにもなっています。
※4Gamer.netの紹介記事
スウェーデン生まれのTRPG「Tales From The Loop RPG」を紹介。ノスタルジーとSFマインドに溢れた世界で繰り広げられる,少年少女達の冒険譚
2016年には続編となる「シングス・フロム・ザ・フラッド THINGS FROM THE FLOOD」を、また2017年には「ジ・エレクトリック・ステイト THE ELECTRIC STATE」を出版し、現在は4冊目を制作中ということです。
「シングス・フロム・ザ・フラッド THINGS FROM THE FLOOD」は機械に寄生する生命体を、「ジ・エレクトリック・ステイト THE ELECTRIC STATE」はアメリカ西海岸を舞台に少女とロボットが旅する話です。いずれの作品も、現実世界において、ロボットや戦闘機などの機械と人間の関係する風景を描いています。
「ジ・エレクトリック・ステイト THE ELECTRIC STATE」については、『アベンジャーズ』シリーズの監督ルッソ兄弟が映画化の権利を取得しています。こちらも映画化されるのが楽しみですね。
※シモン・ストーレンハーグのHPはこちら
※Twitterはこちら
『ザ・ループ』の世界観・ストーリー
2020年4月3日(金)からシーズン1の配信が始まった、Amazonオリジナル『ザ・ループ TALES FROM THE LOOP』。町の地下にある「ループ」と呼ばれる巨大な粒子加速装置が原因で、町の人々の生活・時間・感情・記憶・空間などが影響され、それに伴って様々なドラマが起こるというストーリーです。
大まかな世界観としてはSFなのですが、この世界観のもとに描かれる一つ一つのエピソードは独立したショート・ストーリーであり、SFというよりはヒューマン・ドラマの性格が強いです。一つ一つのエピソードでは、「ループ」と人々の結びつき、そして人々どうしのつながり、といったテーマが主に描かれます。
とはいっても登場人物は複数のエピソードに登場しており、それぞれが「ループ」や周りの人々とそれぞれの「つながり」を持っていて、それが変化していきます。初めは設定が伏せられておりわかりませんが、物語が進行するに従い、少しずつ人々の裏側にある感情や行動の理由、「ループ」やロボットなどが存在する理由がわかってきます。
そういう意味では伏線がしっかり張られている作品なのと、一見伏線とは思えませんが後から振り返ると伏線だったとか、後の話を踏まえて観ると全然理解や感想が違ってくるという面白さがあります。伏線もエピソードの中で回収されるものもあれば、数エピソードを経て回収されるようなものも存在します。
例えば、シーズン1エピソード1の冒頭でループの責任者であるロス・ウィラードの言う「誰もが『ループ』とつながっている」というセリフ。後のエピソードを観ていくと、なかなか意味の深い言葉だと分かってきます。また、町のあちこちに存在する人々を監視しているようなロボットも、単なる機械でない可能性があることも徐々に明らかになります。
また、各エピソードではSFとしては割と古くあるアイデア(例えば、タイムスリップや心の入れ替わり、時間を止める力など)を題材としながら、全体としては謎の存在である『ザ・ループ』がある中でそれを取り巻く町や人々の中のひとつのエピソードとして描くことで、そうした二番煎じ感が少し薄れた新鮮味のあるストーリーになっています。このあたりは上手く作られている作品です。
とは言っても、これまでのこうしたSFドラマと異なり、ループが何で誰が何の目的で作ったのかなど、根本的な謎については明かされませんし、そもそも謎に迫るストーリーではありません。そのあたりは少し物足りない部分もあります。
ドラマ『ザ・ループ』は、間違ってもSFの設定や謎解きを期待してはいけません。独特のしっとりとした雰囲気の中、ゆっくりと進む時間の下で展開される、各エピソードで語られる人間どうしの物語を楽しむのが良いと思います。特別な鑑賞後感が楽しめること間違い無しです。
工藤元(kudogen)のドラマあらすじネタバレ解説:『ザ・ループ』の登場人物・人間関係
ロレッタ(少女時代) シーズン1(エピソード1・8)
ループで働く母アルマと2人暮らし。突然アルマが失踪し、自分がタイムスリップし大人になった自分と対面していることに気がつく。
ロレッタ シーズン1(エピソード1-2・4・6-8)
少女時代のタイムスリップ体験は夢だと思っていた。現在は科学者としてループで働きながら、夫(ジョージ)と子(ジェイコブ・コール)と生活している。
アルマ シーズン1(エピソード1)
ロレッタの母。ループにあるエクリプスの一部を持ち出し実験していた時に、何らかの事故に遭遇し失踪する。
コール シーズン1(エピソード1-2・4・7-8)
ジョージとロレッタの次男で、母を探すロレッタを助ける。大きな松ぼっくりを集めるのが趣味。
ラス・ウィラード シーズン1(エピソード1-2・4・7)
ループの責任者でジョージの父親。シーズン1エピソード4で死去。
ジェイコブ シーズン1(エピソード1-4)
ジョージとロレッタの長男。成績優秀だが絵が上手で将来はループで働かず、絵を描きたいと思っている。ダニーと意識を入れ替わっているうちに、意識が消滅。
ジョージ シーズン1(エピソード1-2・4・6-8)
ロレッタの夫で、ジェイコブとコールの父親。少年時代に無人島での事故をきっかけに敗血症にかかり左手が義手。
ガディス シーズン1(エピソード1・3・6)
ループの守衛。ゲイ。パラレルワールドに迷い込む。
ダニー シーズン1(エピソード2)
ジェイコブの親友。人気者だが成績が悪く将来採石場で働く運命を呪っている。ジェイコブと意識を入れ替え、外見はジェイコブとして過ごしている。
メイ シーズン1(エピソード2-3・6)
ジェイコブとダニーと同じ学校に通う。ジェイコブ(中身はダニー)と付き合っているが、時間を止める力を手に入れイーサンと付き合った上、両方とも別れる。
イーサン シーズン1(エピソード3)
ジェイコブやメイと同じ学校に通う。右足に生まれつき障害がある。一時期メイと付き合うが、お互いを傷つけて別れる。
クララ シーズン1(エピソード4・7-8)
ラスの妻(ジョージの父親)。
エド シーズン1(エピソード2・5)
ケイトの夫、ダニーとベスの父。ループの機器の修理をしている。
ケイト シーズン1(エピソード2・5)
エドの妻、ダニーとベスの母。
ベス シーズン1(エピソード2・5)
エドとケイトの娘、ダニーの妹、耳が聞こえず、手話で会話する。
ルーカス シーズン1(エピソード3・5)
エドの同僚。メイの母と不倫している。
アレックス シーズン1(エピソード6)
パラレルワールドの住人。あちらの世界のガディスのパートナー。
ケント シーズン1(エピソード6)
最近ループのある町に引っ越してきた。ガディスと友人になる。
サラ シーズン1(エピソード8)
ジェイコブやコールが通った学校の先生。実はロボット。
工藤元(kudogen)のドラマあらすじネタバレ解説:『ザ・ループ』の製作・監督・脚本・俳優キャスト
『ザ・ループ』の製作
前述のようにAmazonオリジナル『ザ・ループ TALES FROM THE LOOP』は、シモン・ストーレンハーグのイラスト集の権利をAmazonが買い取り、実写版ドラマとなりました。
プロデューサーは、クローバーフィールドシリーズや猿の惑星新世紀シリーズを手掛けたマット・リーヴス他。制作会社としてはAmazon Studiosのほか、Indio Film、6th & Idaho Moving Picture Company、Fox 21 Television Studiosとなっています。
『ザ・ループ』の監督
『ザ・ループ』はエピソードごとに異なる監督により制作されています。そのため、エピソードによって、カットやタッチが変わってくるのが特徴です。
シーズン1
- エピソード1「ループ」 マーク・ロマネク(『わたしを離さないで』)
- エピソード2「入れ替わり」 キム・ソヨン(『Sky-blue Hometown―空色の故郷』)
- エピソード3「静止」 ディアブラ・ウォルシュ(『』素敵なウソの恋まじない』『ファーゴ(ドラマ)』※エピソード監督)
- エピソード4「エコースフィア」 アンドリュー・スタントン(『ファインディング・ニモ』『ファインディング・ドリー』)
- エピソード5「コントロール」 ティム・ミラン(『レギオン』※エピソード監督)
- エピソード6「異次元世界」 チャーリー・マクドウェル(『ザ・ディスカバリー』)
- エピソード7「怪物」 タイ・ウェスト(『サクラメント 死の楽園』『バレー・オブ・バイオレンス』)
- エピソード8「ホーム」 ジョディ・フォスター(『タクシードライバー』『羊たちの沈黙』※俳優として)
全体としては何か大きな映画を監督してヒット作があるというよりは、脚本とかドラマのエピソード監督などで活躍している監督が多いですね。最も有名だろうと思われる(とはいっても俳優としてですが)エピソード8のジョディ・フォスターは、メイキング映像でも『ザ・ループ TALES FROM THE LOOP』の魅力を語っています。
『ザ・ループ』の脚本
監督とは異なり、『ザ・ループ』の脚本はナサニエル・ハルパーンが全エピソードを書いています。『よみがえり~レザレクション~』『レギオン』などのテレビドラマを中心に活躍している脚本家です。
『ザ・ループ』の俳優キャスト
ロレッタ(少女時代)(アビー・ライダー・フォートソン)
アントマンシリーズに出演。子役ですが本作では失踪してしまった母を探す見事な演技力をシーズン1エピソード1で見せています。
ロレッタ(レベッカ・ホール)
ジェニー・デップ主演の『トランセンデンス』、ホラー映画『ザ・ギフト』の妻役ですね。家族との関係性を演じるのが上手いですね。年齢的にも本作のように子供を持つ母親として丁度良い感じになってきました。
アルマ(エレクトラ・キルビー)
初見ですが、本業は俳優でなくミュージシャンのようです。双子の姉妹でSay Lou Louというデュオで活躍しています。
コール(ダンカン・ジョイナー)
子役です。初見ですが、少年が様々な感情を引き起こされるシーンにおいて、良い演技をしますね。シーズン1エピソード1のラスト、母親に優しくされて涙するシーンはとても良かったです。
ラス・ウィラード(ジョナサン・プライス)
どっかで見たと思っていましたが、ゲーム・オブ・スローンズのハイ・スパロウ!全く印象が違いますね笑 パイレーツ・オブ・カリビアンにもキーラ・ナイトレイ演じるエリザベスのお父さん役で出演しています。ベテラン俳優ですね。
ジェイコブ(ダニエル・ゾールガドリ)
初見です。ゾールガドリと記載しましたが、日本語でどう発音するか分かりません。
ジョージ(ポール・シュナイダー)
初見です。映画では『ブライト・スター いちばん美しい恋の詩』『恋人たちのパレード』などの出演しているようです。どちらも見てないですね。
ガディス(アトー・エッサンドー)
こちらもどっかで観たなと思っていたら、『エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY』でホームズの世話人アルフレードですね。エレメンタリーではいつのまにかいなくなってしまいましたが・・・。『ジェイソン・ボーン』『X-MEN:ダーク・フェニックス』にもちょい役で出演しています。
ダニー(タイラー・バーンハート)
初見です。アメリカのTVドラマ『スコーピオン』『13の理由』などにゲスト出演しているようです。シーズン1エピソード2の、心がジェイコブになり元に戻るのを拒否された情けなさを演じた演技は良かったです。この俳優は、役に恵まれればこれからブレイクすると思います。素晴らしい演技力です。
メイ(ニコール・ロー)
初見です。アメリカのTVドラマ「Warrior」などに端役で出ているようです。シーズン1エピソード3では主役となり、仕草や表情など揺れ動く女性の心情をよく演技していると思いました。
イーサン(ダニー・カン)
初見です。ヒュー・ジャックマン主演『フロントランナー』に出ていたようですが、全く記憶にありません。
クレア(ジェーン・アレクサンダー)
良い感じのお婆ちゃんですが、『クレイマー、クレイマー』の夫婦の友人役ですね。時は経つものですね~笑 未見ですがターミネーター4にも出演しています。
エド(ダン・バッケダール)
アメリカのTVドラマ、映画を中心に活躍している俳優です。ちょいちょい見る感じですが、あまり印象にありません。
ケイト(ローレン・ウィードマン)
多分初見ですね。アメリカのTVドラマ、映画に結構でているようです。
ベス(アレッサンドラ・デ・サ・ペレイラ)
可愛らしい少女ですが、本作でデビューのようです。名前からするとスペイン語圏の方ですかね。ろう者を演じましたが、英語ネイティブでないのかもしれません。
ルーカス(ドミニク・レインズ)
イラン系アメリカ人俳優で、『エージェント・オブ・シールド』のシーズン5に出演しています。
アレックス(ジョン・コルタジャレナ)
スペイン人のモデルで、グッチのデザイナーを務めたトム・フォードが監督した『シングルマン』に出演しています。こちらもゲイ映画ですね。
ケント(ブライアン・マイヤール)
情報不足のため不明。アメリカの俳優だと思います。
ジョージ(少年時代)(エムジェイ・アンソニー)
キアヌ・リーブス主演『レプリカズ』の子役ですね。『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』にも子役で出ているようです。
サラ(ステファニー・エステス)
初見です。『口裂け女 in L.A.』やB級ホラーなどに出演しています。
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